示談書作成のための3つのポイント
弁護士の森本明宏です。
何かトラブルが発生し、話し合いで解決、すなわち示談をする際、示談書を作ることになります。
今回は、示談書を作る時に最低限押さえておくべき3つのポイントをお伝えしたいと思います。
どんな示談書でも最低限の骨子は3つのポイント(条項)が入った次のとおりです。
示談書の基本構造を示します。
示 談 書
○○○○を甲、△△△△を乙として、甲と乙は、本日、下記のとおり、示談をする。
記
1 乙は、甲に対し、・・・・の件について、解決金(示談金)として、金●●万円を支払うものとする。
(何の件に関して支払うのか、日付・期間・内容などにより示談をする案件を特定しましょう。
支払う名目ですが、「解決金」という名目を使うことがよくあります。「示談金」でももちろんOKです。
実質が慰謝料であったり、未納代金であったり、いろいろな場合がありますが「解決金」という名目はオールマイティーな書き方です。)
2 乙は、前項の金●●万円を、令和4年・・月・・日限り、甲名義の次の預金口座に振り込んで支払う(ただし、振込手数料は、乙の負担とする)。
△銀行△支店 普通預金 1234567
(「限り」とは「までに」と同じ意味です。
示談書の取り交わし時に現金で支払う場合もあります。その場合は、「乙は前項の金●●万円を本示談の席上で甲に支払い、甲はこれを受領した。」と書くことになります。)
3 甲と乙は、本示談書に定めるもののほか何らの債権債務がないことを相互に確認する。
(清算条項と呼ばれる条項です。紛争の蒸し返しが生じないよう、ほかには債権債務がないことを確認しておくことが重要です。)
本示談の成立を証するため、示談書2通を作成し、甲と乙が署名押印のうえ、各自1通ずつを所持するものとする。
令和4年 月 日
(甲) 住所
氏名 ○○○○ ㊞
(乙) 住所
氏名 △△△△ ㊞
以上、重要ポイント3点をまとめますと、
何の件に関していくら支払うか(第1項)、
支払方法をどうするか(第2項)、
その支払い以外にお互いほかに債権債務がないという清算条項(第3項)
が、骨子になります。
示談書で以上の3点が入っていない示談書はありません。
これだけ覚えておけば、示談書は作れますので、参考にしてください。
弁護士 森本明宏